「不整脈」自覚症状がゼロでもすぐに精密検査が必要なワケ
記者は50代。先日、健康診断で不整脈を指摘された。ネット検索すると「健康な人でも90%が不整脈を起こしている」とある。“健康な人でも”ということは、このまま放置していても問題ない? 岐阜県にある中部国際医療センター循環器内科副部長の中島孝医師に話を聞いた。
「不整脈は、本来は規則正しいはずの心臓の拍動が乱れ、脈が不規則になることを指します」
〈表〉のように、不整脈は大きく3つのタイプに分かれ、さらにいくつかの種類がある。この中には、危険な不整脈もあれば、健康な人でも起こる不整脈もある。
たとえば心房細動は、生死に関わる脳梗塞を生じかねない。また心室細動や心室頻拍は、突然死の原因となり得る。
不整脈で最も多くを占める期外収縮は、年齢や体質的な理由で出ている人がほとんどで、その場合、危険性はない。
「しかし期外収縮のうち心室性期外収縮は、心筋梗塞や心筋症が関係している場合があり、危険な不整脈に移行する可能性があります」
つまり不整脈は、健診で見つかったら必ず精密検査が必要。それによって、健康だけど生じている不整脈か、経過観察か、すぐに治療が必要かを判断しなければならない。不整脈の中には、進行してから治療をすると治りにくいものもある。