脳の老化を防ぐ食事のポイントは…「AGE」に注意する
先日、2040年における認知症高齢者の数は約584万人、軽度認知障害(MCI)は約613万人にのぼると厚労省の研究班によって公表されました。一度発症すると完治できない認知症は、症状が出る20年前からゆっくりと脳内で進行しているといわれ、早めの対策が必要です。
脳や体の老化を招く要因として、これまで「酸化」が問題視されてきましたが、近年、注目されているのが「糖化」です。体内で過剰になったブドウ糖がタンパク質と結びつくと「AGE」と呼ばれる終末糖化産物が作られます。体内に蓄積すると血管や内臓がダメージを受けて、動脈硬化やがん、アルツハイマー型認知症を引き起こします。AGEは何もしなくても体内の化学反応によって自然と生まれますが、実は食品にも含まれています。ほとんどは尿と一緒に体外に排出されるのに対し、腎機能が低下すると体内に蓄積されやすい。さらにAGEの1日の摂取目安量は7000KUとされていますが、食品から摂取したAGEの約7%は体内に残るため、含有量が多いハムやスパムのほか、焼くと1万KUを超えるフランクフルトやベーコンなどの加工肉は注意が必要です。
ほかにもAGEは焼く、揚げるといった高温加熱によって5~10倍に増加します。トーストや焼き魚、ご飯のおこげなどは香ばしく食欲がそそられますが、焦げはAGEを多く含むので、焦げた部分を取り除くなどして口にしないようにしましょう。加熱すると焦げやすいタンパク質が多い肉や魚、卵はなるべく蒸すや煮る、電子レンジで加熱をして、刺し身など生で食べられる食材は調理を避けるのが理想と言えます。