認知症の親の「便秘」を解消させる具体的な方法は?
高齢になるにつれ悩む人が多いのが「便秘」です。2019年に厚労省が行った国民生活基礎調査によると、65歳以上の女性の72.3%、男性の64.1%に便秘の自覚があるとされています。
とりわけ認知症の方は、活動量の低下や不規則な食生活、認知症の治療薬の服用によって便秘になりやすい。また、レビー小体型認知症は「αシヌクレイン」と呼ばれるタンパク質が脳の神経細胞に蓄積し発症します。通常これは腸内に存在し、何らかの原因で神経を介して脳内に侵入することで、レビー小体型認知症を引き起こすとされています。ある研究では記憶障害の症状が目立ちだす10~15年前から便秘が始まるとの報告もあり、レビー小体型認知症は“腸から起こる認知症”ともいえるのです。
80代の男性は、5年前に認知症を発症してからは在宅で介護を受けていました。訪問診療で伺った際に、ポータブルエコーと呼ばれる手のひらサイズの小さなエコーを腹部に当てると、なんと500ミリリットルのペットボトル1本分の宿便が直腸にたまっていました。長らく便を出し切れない状態が続いていたために、腸に便が残っていたと考えられます。