心臓疾患の労災認定が増加中…職場で命を守るポイント
近年、「働き方改革」が大きな話題になっています。2013年ごろから過労死や過剰労働による職場での事故などが世界的な問題となり、国連が長時間労働や過労死の是正を求めたこともあって、日本でも働き方改革について盛んに議論されるようになりました。以来、さまざまな労働関連の法案が成立し、2021年には、20年ぶりに労災認定の基準となる「健康障害に発展する恐れのある時間外労働時間」いわゆる「過労死ライン」が見直され、さらに取り上げられる機会が増えた印象です。
労災とは、一般的に労働者が業務に起因して被った負傷、病気、死亡などの災害を指します。事故やケガだけでなく、狭心症、心筋梗塞、脳卒中といった脳や心臓血管疾患さらには労務ストレスによるうつ状態なども含まれます。もちろん、21年の改定では脳・心臓疾患の労災認定基準も緩和されています。
業務が主な原因で発症した脳・心臓疾患は、「仕事が特に過重であったために血管病変等が著しく増悪し、その結果、脳・心臓疾患を発症した場合」に労災と認定され、①「長期間の過重業務」②「短期間の過重業務」③「異常な出来事」のいずれかの要件を満たした場合で認定されます。