世界で大流行…海外旅行に行く人は「デング熱」に注意!
デング熱はデングウイルスによる感染症で、発症すると40度近い高熱や激しい頭痛、筋肉痛などの症状が現れる。新型コロナと違って飛沫感染など人から人へ感染することはなく、8割程度は無症状とされるが、「デング出血熱」を発症し、死に至ることもある。
なぜ、デング熱が世界中で急増しているのか?長崎大学感染症研究出島特区長で教授の森田公一医師が言う。
「日本でデング熱を媒介する蚊はヒトスジシマカですが、現在世界中で流行しているデング熱を媒介している最も重要な蚊はネッタイシマカです。東南アジアの熱帯および亜熱帯気候に自生していたのですが、地球温暖化で生息地が拡大。感染者が急増したと考えられています。都市部を好む傾向にあり、ゴミのプラスチックにできた水たまりでも容易に幼虫が成虫になれる。世界中で都市化が進んでいることも増加の原因のひとつでしょう。新型コロナで免疫力のない人が増えたことや、その収束で人の往来が活発になったこと、地球温暖化による異常気象の定着に加え、南米沖の海水温が平年を上回るエルニーニョ現象の発生など南米で雨が増えることも要因と考えられます」