世界で大流行…海外旅行に行く人は「デング熱」に注意!
なお、デング熱ワクチンは現在世界で2種類が製造・販売されている。
「デングウイルスには4種類の血清型がありますが、血清型間に免疫交差性が乏しく、異なる血清による2回目感染時には最初の感染でできた抗体が防御でなく逆に増強となり、重症化する可能性があります。これを抗体依存性感染増強(ADE)と呼びます。世界で最初に承認されたサノフィ社のデング熱ワクチンは感染歴のない人が接種すると、ADEによると考えられる重症例が多数報告されたことから、感染歴のある人が対象のワクチンとなっています」
最近登場した武田薬品工業のデング熱ワクチンは感染歴のない人でも効果があることが検証されているが、日本ではまだ必要とされるケースが少ないこともあり、発売されていない。
蚊は世界で最も人間を殺している生き物で、毎年75万人が蚊が媒介する感染症で亡くなっている。うち数万人はデング熱によるものだ。デング熱を媒介する蚊の生息地域は、地球温暖化により拡大の一途をたどっており、いずれ人類の半分がデング熱感染リスクを抱えるとも予想されている。渡航予定者はもちろんのこと、そうでない人も蚊には注意したいものだ。