一人で暮らす老いた親の「ヒートショック」を防ぐ対策法は?
とりわけ高齢者の多くは血圧を下げる「降圧剤」を常用していて、夕食後に服用してから入浴すれば血圧はさらに降下しやすい。気付かないうちに風呂場で意識を失うと、転倒して溺死する危険があります。
ほかにも油断できないのが「トイレ」です。脱衣所と同じく寒くなりやすいのに加え、排便時にいきむと、血圧は一気に上昇します。ところが排便後は副交感神経が優位になって血圧が低下するため、短時間で血圧が変動して立ちくらみが生じて、ヒートショックを起こしやすいのです。
家族と同居されている方に比べて独居されている方の場合、倒れても発見が遅れて命を落とすリスクが高い。離れて暮らす親のヒートショックを防ぐためにも、帰省時に親と一緒に対策を講じる必要があります。
最も有効なのが、暖房器具の設置です。リビングや居室に比べて、脱衣所やトイレには暖房がないケースが多い印象を受けます。人感センサーが搭載された「セラミックファンヒーター」であれば、自動運転で操作の必要がなく、消し忘れによる火事の心配もありません。非常にコンパクトな製品も販売されており、置き場所にも困らないでしょう。