高血圧の人はヒートショックの危険が増大する…薬を飲んでいても注意
歌手の中山美穂さん(享年54)が「入浴中に起きた不慮の事故」により亡くなったことで、あらためて「ヒートショック」の危険性がクローズアップされている。老若男女だれしも注意が必要だが、中でも「高血圧症」の人は、たとえ治療中でもリスクがアップするというから気を付けたい。東邦大学名誉教授で循環器専門医の東丸貴信氏に聞いた。
「ヒートショック」とは、寒い環境と暖かい環境との温度差が10度以上になるような激しい温度変化によって血圧の急激な上昇と下降が起こり、心筋梗塞、心不全、大動脈解離、不整脈、脳卒中といった命に関わる病気を引き起こす現象で、入浴はその典型的な現場といえる。
寒い脱衣所で衣服を脱ぐと血管が収縮して血圧が上昇し、浴槽で43度以上の熱い湯につかるとさらに上がる。体が温まってくると、今度は血管が緩んで広がるので血圧は下がるが、風呂から上がって再び寒い脱衣所に出ると、急上昇する。短時間でこれだけ急激な血圧の上下動を繰り返すことで、血管や心臓に大きな負担がかかるのだ。
とりわけ、血圧が高い人はリスクがアップするという。