70歳を超えた吉田拓郎は心情吐露も…「老いるといいことがない」は本当か?
70歳を超えた吉田拓郎がある番組で「老いるといいことがない」というニュアンスの言葉を吐露した。体力が衰えてくるため、ライブもしんどいと率直に語っていた姿が印象的だった。
吉田拓郎に限らず、老いることにマイナスを感じる人が多いのではないか。だが、人間は老いを避けて生きることができない。それなら、できるだけ楽に老後を迎えるのが得策だ。では、どうしたらいいのだろう。
「人はどう老いるのか」(講談社現代新書)の著者でドクターの久坂部羊氏は、40代で高齢者医療に携わりさまざまな老いのパターンを見てきた。
「当時勤務したデイケアサービスを併設した高齢者医療クリニックには、毎日40人ぐらいの老人がやってきて、意外にも老いると当然なことに嘆き、悩んでいる人が多かったのです」
腰が痛い、膝が痛い、さっさと歩けない、細かい字が読めないなど老人なら誰でも生じることなのに「なんでこうなったんだ」と受け入れられない。つまり老いという状況に慣れていないのだ。