オリオンのパロディー「食べルンです」本家からの反応は?
歌手のあいみょんがたばこに見立てて口にくわえたことをきっかけに、若い世代にも火が付いた「ココアシガレット」。
シニア層にはおなじみの駄菓子だが、製造元のオリオン(本社・大阪市)は“パロディー菓子”を得意技としている。
中でも秀逸なのが、使い捨てカメラのパロディー「食べルンです」。本家(富士フイルム「写ルンです」)の実物より小さめで、シャッターを押すとレンズ部分からラムネ菓子がポロリと出る。さて、この「食べルンです」は本家からクレームが来なかったのか?
開発担当の高岡五郎常務がこう言う。
「ある日、カメラの販売会社から電話があり、クレームかと思いきや販促品として使いたいとのこと。それもかなりの数量でした。これが引き金となって爆発的なヒット商品に。使い捨てカメラブームが再燃していることも追い風になり、今でも売れ続けているロングセラー商品になりました」
では、本当にクレームが来ちゃった商品はあったのか?
「ラムネ菓子のミニコーラは世界最大手のあの飲料メーカーから不正競争防止法に触れているとの警告文が届きました。でも返事を出してから3年間、ほったらかし。その間に商標と意匠登録を出願し、3年間で1億個ほど売り上げました。結局、1978年に裁判となりましたが、国内ですでに『ミニコーラ』としての認識がされていること、本家さんに迷惑をかけていないという判断で不正競争は成り立たず、1989年に弊社の全面勝利で幕引き。まさに奇跡ですよね」(高岡専務)
ほかにも「シャレデッセン」「ガスデター10」などパロディー商品満載。最近では、駄菓子だけにとどまらずココアシガレット入りのアイスをプロデュース。全国のイオンで発売中だ。