岸田首相が残す「原発再稼働」という負のレガシー…任期終了まで“延命”を政策で後押し
岸田首相の総裁任期満了まで、30日で残り1カ月。「任期終了まで国内外の課題への対応に全力を尽くす」と鼻息荒いが、「負のレガシー」を残してもらっては困る。原発の再稼働をめぐる問題だ。
原子力規制委員会は28日、日本原子力発電(原電)の敦賀原発2号機(福井県)について、新規制基準に不適合とする審査書案を了承。29日から約1カ月間、パブリックコメントを実施した上で正式に決定する。
原電は再申請を目指す考えだが、先は見通せない。
「敦賀2号機の審査は2015年から9年に及び、原電側のデータ書き換えや資料の不備などで2度中断しました。そもそも、不正に手を染めた会社に原発の運転を任せられるでしょうか。原電は東海第2原発でも安全対策工事の不備が判明しています。保有する原発を稼働できていない原電は現状、電力大手5社が基本料金などを払って支援しています。再申請をしても再稼働は絶望的で、再審査の判断までどれだけの期間を要するか分からない中、いつまで延命させるつもりなのでしょう」(「原子力規制を監視する市民の会」代表・阪上武氏)