河野太郎デジタル相は強調も「データセンターのために原発必要」は世界の非常識…古賀茂明氏が喝破
こんなデータがある。ドイツのフラウンホーファー研究機構による、エネルギー源別発電コストだ(今年7月現在)。原発は16電源のうち最もコストが高く、48ユーロセント/kWh(約77円)。一方、太陽光+蓄電池は12ユーロセント/kWh(約19円)。4分の1なのだ。
AIやデータセンターのため、原発の再稼働や新増設を急ぐ必要──という理屈にも“盲点”がある。
「データセンターを建設しようとしているGAFAM(米主要IT企業)は『脱炭素』を進めており、すべてクリーン電力で稼働させることを条件としています。マイクロソフトは原発容認ですが、その他は脱炭素イコール再エネ。データセンターをつくる際、『再エネ電源があるか』が重要になってくる。GAFAMは取引先にも脱炭素を求めており、日本企業が焦り始めています」(古賀茂明氏)
共同通信の主要企業111社アンケートでは、「政府のエネルギー基本計画の見直しで盛り込んで欲しい事項」のトップが「電源構成の再生可能エネルギーの比率拡大」の59%で、「原発の新増設」は17%だった。企業マインドは変化している。