95%が森林に囲まれた徳島県那賀町は「エビの陸上養殖」で地域活性化 水槽は廃校の給食室に
同町で養殖事業を担当する那賀町役場上那賀支所地域振興室の蔭佐和也室長補佐がエビ養殖事業の導入をこう言う。
「少子高齢化、人口減少への対応で、町の活性化には他の自治体がやらないことをやろうと。博報堂プロダクツと地域活性化包括連携協定を締結し、『那賀町みらい創造プロジェクト』の一部門でエビの養殖事業の実証実験をスタートしました」
養殖池の海水は、那賀町から35キロ南下した日和佐漁港内にある地下水から9トンをくみ上げて運んだ。そして、微生物を活性化させ、病原菌の抑制作用のあるフルボ酸液を加え循環させて水槽内の水質を保っている。
■陸上養殖を拡大し、地域活性化へ
3基の水槽にはそれぞれ360匹が養殖されているが、10月末には一部を水揚げし、地元小学校などでイベント、PRを予定。クルマエビの出荷のピークとなる12月には、来年度に向けて本格的なPRが開始される。
「那賀町の特産品として生きクルマエビや加工品などの販売を県内外に広めていきたい。また、養殖事業の民間企業への売却も検討中です」(前出の蔭佐氏)