95%が森林に囲まれた徳島県那賀町は「エビの陸上養殖」で地域活性化 水槽は廃校の給食室に
徳島県那賀町が全国で初めて、自治体が独自にビジネスオーナーとなるエビの陸上養殖に取り組んでいる。同町から委託を受けたのは、7月30日付の同コラム、ホテル三日月「エビの陸上養殖をスタート」で紹介したSeaside Consulting(平野雄晟・平野彩共同代表、千葉県安房郡鋸南町)。
養殖池は昨年廃校となった那賀町立平谷小学校の約123平方メートルの給食室。タテ、ヨコ3×2メートル、深さ70センチの水槽3基に、実証実験として今年度は1000匹のクルマエビの稚魚の養殖からスタートした。
「(8月)20日に平均5グラム、約10センチの大きめなクルマエビの稚魚を池入れしました。養殖の成功はすでにホテル三日月で実証済みなので立証する必要はありませんが、那賀町での実証試験では、①地元の水に合うか、②関係者に食べていただき味はどうか、そして③販路の確保の3つが確認ポイントになっています」(平野雄晟代表)
那賀町は徳島県南部に位置し、95%以上が森林に囲まれた中山間地域。2005年の平成の大合併時に鷲敷町、相生町、上那賀町、木沢村、木頭村の5町村が合併して誕生した。合併当時1万人を超えていた人口は現在7133人、世帯数3656世帯に減った(7月現在)。