船井電機の先行きは不透明に…株式は仮差し押さえ、上田智一社長が不可解な辞任
AV機器メーカーの船井電機(大阪府大東市)の株式について、東京都のネット広告会社が仮差し押さえを申請し、9月初めに東京地裁がこれを認める決定を出していたことが明らかになった。関連会社の広告代金の未納が原因とされる。また、上田智一社長(51)が9月27日付で辞任した。理由は明らかにしていない。
船井電機は、船井哲良氏が、1951年に個人経営のミシンの卸問屋「船井ミシン」を創業したのがはじまり。ほどなくミシンの自社生産・海外輸出を行うようになり、59年にトランジスタラジオの製造に乗り出す。91年にアメリカに進出し、テレビの販売を開始。中国で生産されたVHSデッキを内蔵したフナイの激安「テレビデオ」は、市場を席巻した。2000年には船井哲良氏は日本人として初めて米国版長者番付であるフォーブスの「Billionaires」に名前が載ったほどだった。
また、国内では船井哲良社長はヤマダ電機の山田昇社長と個人的な縁があり、06年にヤマダ電機と業務提携。その後、いったん提携関係は解消されたが、17年に再提携し、船井電機の屋台骨を支えている。