キングメーカー争いで菅義偉前首相が“蠢動”…そして高まる「麻生太郎包囲網」
裏金事件で岸田内閣の支持率が過去最低を更新する中、水面下で首相経験者によるキングメーカー争いが進行中だ。
“蠢動”しているのは、自民党非主流派の菅前首相。キングメーカーを争う麻生副総裁への包囲網を築き「孤立化」を狙っているという。永田町で注目されているのは、菅前首相が参加した1日夜の会食だ。
「集まったのは、二階派の武田良太元総務相と、安倍派の萩生田光一前政調会長、茂木派の加藤勝信前厚労相、小泉進次郎元環境相と、いずれも菅内閣を支えた閣僚メンバー。会食を呼びかけたのは武田さんだったといいます。岸田首相の政権運営について意見交換したとされていますが、一方で『麻生包囲網』へ向けた“密談”だったという見方もある」(永田町関係者)
ポイントは武田氏の存在だ。麻生副総裁とは地元・福岡で勢力争いを繰り広げてきた「犬猿の仲」だ。麻生派を退会した佐藤勉元総務会長や、麻生副総裁との関係が最悪な古賀誠元幹事長とも関係を構築。「菅さんを旗印に反麻生で結集し、麻生さんの政治力をそぐ機会をうかがっている」(同前)とみられているのだ。菅前首相に近い自民党議員が言う。
「基本的に菅さんは露骨な政局は好みません。ただ、裏金事件で政治状況は不安定です。機を見て本格的に麻生さんの孤立化に動き出してもおかしくはない。菅さんは持論の派閥解消論で麻生さんに揺さぶりをかけるつもりではないか。派閥に固執する麻生さんとの違いを鮮明に打ち出すことができますから。会食に同席していた進次郎さんと石破元幹事長、河野デジタル相、いわゆる“小石河連合”との連携も視野に入れているはずです」