「全員が危機感を」 丸山茂樹プロが日本男子ゴルフ界に警鐘
――人気低迷の原因は?
ゴルフだけを見たら、今のメンバーたちも確かにうまくなっている。しかしジャンボ尾崎さんほどの面白みがあるかといえばない。青木功さんみたいな魅力があるかといえば、それもない。見ていて面白くないっていうのは、何でなんだろう、みんな気づいているだろうか、ということです。
――AONの後を継いで、丸山プロが牽引すべきだったのでは。
責任の一端は感じますが、ジャンボ尾崎さんが健在の時に米ツアーに参戦したので、後継者が出てこなかったのは残念です。ボクも当時すでに31歳と若くなかったので、体力的にも1年間フルに米ツアーで戦って、日本ツアーに戻って試合に出場できる余裕がなかったというのが現実です。ボクが日本ツアー空洞化の原因と言われればそれまでですし、実際、「丸山がいないからだ」って、あの当時よく言われました。
■日本ツアーは早急に組織改革を
――ツアーに対する注文はありますか。
山ほどあります。例えばスポンサーに対するホスピタリティーなど問題はたくさんあるのに、実行力、行動力、スピードがない。営業も含めて、問題解決に向け何か考えているのか、話し合いをしているのか、努力しているのか。日本に帰ってきて2年間理事を務めましたが、ボクが米ツアーの経験をもとに提案したことがひとつも議題にのらなかった。また米ツアーでは優勝者は試合会場に出入りできるツアーバッジをもらえるのですが、日本ツアーではシード権を失った時点で、もらえない。ボクがテレビの仕事で会場入りすると、入り口で係員に止められました。なぜ止められなきゃいけないのか、何のために20年間ゴルフ界に貢献してきたのか、ツアー自体が選手を軽んじている。リスペクトが感じられないのです。若い選手に夢を与えられるように、早急に組織改革をすべきです。