500ヤード超のパー4続出? 全米OP示すトーナメントの将来
選手が文句タラタラで幕を閉じた今年の全米オープン。会場(米ワシントン州・チェンバーズベイGC=7600ヤード前後・パー70)のグリーンはフェスキューにポアナ芝が混じってボコボコ。ボールは左右に揺れて、カップ直前にポアナ芝に蹴られるシーンが何度もテレビに映し出された。
メジャーの舞台としてはお粗末な点も多かったが、主催の全米ゴルフ協会(USGA)は選手から最高の技を引き出すためにいろいろと工夫を凝らしていた点も見逃せない。
例えば、伸び続ける飛距離対策として、500ヤードを超えるパー4を6つも設定。最終日の18番パー5は601ヤードもあった。それでも2打でグリーンに乗せる選手は多く、平均スコアは4.720。近い将来、600ヤードのパー4や700ヤード超のパー5が当たり前になるかもしれない。
メジャーの取材経験が豊富なゴルフライターの吉川英三郎氏が言う。
「これまでの飛距離対策といえば、フェアウエーを狭く絞り、ラフを伸ばすこと。今年のコースはフェアウエーを広くした分、ホールの距離を伸ばし、グリーンとその周辺を難しくした。今のプロは450ヤードのパー4でも2打目はショートアイアン。これからは日本のトーナメントでも、500ヤード以上のパー4がいくつも出てくるでしょう。とはいえ、国内コースは敷地が狭く、ティーインググラウンドを後方へ下げることが難しい。プロの試合に限り、パー5をパー4にするようになるはずです」