明大右腕も急浮上 今秋ドラフト創価大・田中“一強”に異変
「今は凄い投手になれるかどうかの境目にいる」
今秋ドラフト最大の目玉である創価大の右腕・田中正義(4年)についてこう語るのは、在京球団の某スカウトだ。
去る5日、東京新大学リーグの杏林大戦に先発、3失点完投で今季初勝利を挙げた。奪った三振は12。史上初の12球団1位競合も、といわれる剛腕だが、冒頭のスカウトはこう続ける。
「今は身体能力の高さでこれだけのパフォーマンスができているという印象。150キロを超える速球はプロで通用するが、プロで超一流の成績を残そうと思えば、『速球と同じ腕の振りでスライダー、フォークなどの変化球を投げること』『7割の力でも打者を打ち取る投球術』『9イニングをコンスタントに投げる体力、精神力』を身につけること。この1年間でこれが克服できるかどうかだね」
先日の杏林大戦では六回まで無安打投球だったが、七回に57イニングぶりに失点すると、九回も2点適時三塁打を浴びた。
「2月上旬の右肩違和感の影響で調整遅れもあったとはいえ、試合では7割の力で投げて抑える場面があったのは収穫。ただ田中は、下位打線にも真っ向勝負で抑えようという生真面目な性格が垣間見える。力の配分やバランスの部分で成長できれば、1年目から15勝できる」(前出のスカウト)