ドラフトの目玉 創価大・田中に12球団スカウト集結の滑稽
今秋ドラフト最大の目玉である田中正義(創価大)が5日、東京新大学野球リーグ開幕戦(対杏林大)で完投勝ちした。
9回を投げて4安打3失点。七回に安打と守備の乱れで1点を失い、昨春から続いていたリーグ戦無失点は56イニングでストップした。点を取られたこと自体はニュースでも、だからといってプロの二軍相手に7者連続三振の評価が覆るわけではもちろんない。
プロ12球団が1位に評価、いまや、どの球団が田中から降りるかが注目ともいわれている。にもかかわらず、クビをかしげたくなるのはこの日の県営大宮球場のネット裏に12球団、計40人を超すスカウトがズラリ、顔をそろえたことだ。中には阪神の和田SA(シニアアドバイザー)やヤクルトの小川SD(シニアディレクター)の姿もあった。
逆指名があったころならまだしも、田中の指名権を獲得できるかどうかはクジ運次第。どれだけ多くのスカウトや球団上層部が球場に足を運ぼうと、それが結果として田中サイドに誠意を見せることになろうと意味はなさない。
だったら同日、同じ埼玉の上尾市民球場で駒大から14三振を奪った黒木優太(立正大)をチェックするとか、他の大学生の試合を見に行く方がよほどためになるのではないか。