海外での活躍誓う賞金王・池田勇太に数々の“苦戦データ”
マスターズに詳しいゴルフライターの吉川英三郎氏がこう言う。
「ドライバー飛距離が出なくても優勝争いに絡んだ選手は過去にも数多くいます。しかし池田の場合、ネックとなるのがフェアウエーキープ率56・20%(日本ランク43位)です。オーガスタでは高速グリーンにボールを止めるにはフェアウエーからバックスピンを掛けなければいけません。ラフがないといわれるオーガスタですが、2センチほどのファーストカットがある。そこからだとスピンコントロールが利かず、ボールを止めるのは難しい。過去データを見れば、池田の飛距離ではフェアウエーキープ率が70%ないと、まともに戦えません」
ちなみに10年マスターズは通算2オーバーだった。勝ったP・ミケルソンとは18打差だ。4日間のプレー内容を検証すればミケルソンはパー5で12アンダー、パー4が4アンダー、パー3がイーブンパー。一方、池田はパー5が6アンダー、パー4が7オーバー、パー3が1オーバーだった。
「マスターズでの戦い方はパー5でスコアを伸ばして、パー4とパー3でいかに耐えるかが鉄則です。ピン位置によって11番パー4はグリーンに乗せない方がよかったり、16番や17番のようにピンそばを狙うのがいけなかったりする。日本ではありえない攻め方ができるかどうか、イメージをしっかり持てるか、なのです」(前出の吉川氏)
マスターズは6年ぶりの出場になる。少しは日本賞金王の意地と成長したところを見せてもらいたいものだ。