プロがパーセーブにヘトヘト…タフなコースの大会は面白い
「試合はゴルフをよく知っているファンには面白かったはずです」と評論家・宮崎紘一氏がこう言う。
■もっと苦労させるべき
「プロがパーを取るのに必死になっている大会の方が、見ている方にもハラハラ、ドキドキのスリルが伝わってくる。しかし、男子ツアーはだいたい大ざっぱなバーディー合戦を演出してばかりで、ラフに曲げても飛ばした方が有利という安易な設定がほとんどです。それではプロのテクニックも引き出せない。実は、大会主催者が、バーディーがたくさん出た方が試合が盛り上がると勘違いしているのです。タフなコースで世界で戦える選手を育てようという気持ちがまるきりないのが問題といえます」
海外に目を転じれば、メジャーの設定はもっと難しい。米ツアーは今では500ヤードを超すパー4は当たり前だ。
今大会はパー70設定で行われたが、ツアー競技はゴルフ場の体裁を考慮してパー72設定ばかり。これでは日本人プロがいつまでたっても、世界レベルに追い付くことはできない。大会主催者はバーディー合戦のお祭り騒ぎに浮かれるのではなく、もっとプロに苦労させるべきだ。