メジャー5球団のクビが飛んだ「GMにしてはいけない人々」
メジャーリーグではシーズン終了後、5球団のGMおよび編成責任者のクビが飛んだ。この一連のGM交代劇で明らかになったのはGMにしてはいけない人物がいるということだ。
メッツではブローディ・バンワゲネンGMが在任わずか2年でクビになった。この人は大手代理人CAA社野球部門のヘッドを務めていた大物代理人なのだが、年俸の高騰に頭を悩ませていたメッツが年俸を高騰させる張本人である代理人をコストカッターに据えれば人件費を抑制できる、と考えてGMに据えたのだ。
■泥棒にガードマンをやらせるようなもの
これには泥棒にガードマンをやらせるようなものという声もあったが、メッツは逆転の発想でうまくいくと信じていた。結果は無残だった。バンワゲネンはGM就任早々、マリナーズで不良資産化していたロビンソン・カノー(CAA社の大物顧客)のメッツへのトレードを敢行して打線を弱体化させ、自分の顧客セスペデスが重大な規律違反を犯した時は大甘のペナルティーを科して冷笑された。有名選手が多いのにチームも機能せず2年連続でポストシーズン進出を逃した。メッツの新オーナー、スティーブ・コーエンは11月6日、オーナーに就任すると、2時間後にバンワゲネンとその取り巻き3人の解雇を発表。これにより代理人をGMにしてはいけないということが、広く認識されるようになった。