日本男子ツアーはなぜ54ホールで競技成立させてしまうのか
■米ツアーは72ホール完遂の姿勢を貫く
2019年に日本開催の米ツアー「ZOZO選手権」は悪天候で日曜日までに72ホールを消化できず、決着は翌日までもつれた。飛行機での米国移動が1日延びても、米ツアープロからは抗議の一つも出ない。それがプロとして当たり前の義務だからだ。
月曜日は平日にもかかわらず、多くのファンが会場に押し寄せた。そこでは松山英樹が追い上げてファンを沸かせ、T・ウッズが首位を守り切り、世界最多タイの82勝を達成して歴史に名を刻むドラマが生まれた。これが3日間54ホールで終わらせていたら、何の感動も生まれずに消化不良だったはずだ。
米ツアーは悪天候による中断があっても、72ホール完遂の姿勢を貫く。
勝負はレギュレーションの中でプロは最後の最後まで、技術と精神力を競い、死闘の中で感動的なドラマも生まれる。それがファンを熱狂させ、興行として成り立つ。だが日本のプロゴルフ界には世界で当たり前の感覚や使命感がない。その原因はプロゴルフツアーの仕組みにある。