徹底した“勝負至上主義”が生む誤解…特定チームのファンをブチギレさせ大炎上した発言とは

青森山田高サッカー部を率いてJFA・U18プレミアリーグ、高校サッカー選手権、高校総体で何度も日本一に輝いた名伯楽の黒田剛監督(54)だが、2022年10月にJ2町田ゼルビアの指揮官に就任した時には「プロの選手経験もなければプロの現場も知らない。ま、お手並み拝見といくか」と冷ややかな反応が圧倒的だった。
ところがJルーキー監督が2023年シーズンでチームをJ2初優勝・J1初昇格に導いてサッカー界を震撼させ、今季J1でも快進撃を続けて前半戦を首位で折り返し、第23節終了時点でもトップを維持して優勝争いをリードしている。しかし、称賛の声と同じくらいの批判にもさらされている。ストレートな物言いが誤解を招いたり、ネット住民に発言の一部を切り取られて炎上したり……。なかなか表に出てこない実像をサッカージャーナリストが明かす。(第3回/全5回)
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町田ゼルビアのサッカースタイルは、徹底した勝負至上主義です。さらに徹底したリスク排除。黒田剛監督が口を開けば「徹底的に」と言わない日がないのじゃないか、と思うくらいとことんこだわり抜きます。
だから華麗な技なんか関係ない。美しくボールを回しながら攻め込んで、相手にボールを奪われてカウンターを受けるなんて、黒田イズムとは対極にある姿です。
ボールを奪ったらすぐさま前線の体格のいい選手にボールを預け、そこから一気にカウンターで攻め込みます。相手が攻めてきてくれれば、それが町田の逆襲のチャンス、という戦いです。
逆になぜパスを何本もつないで攻めようなんて、そんな危ないことをするの? というのが黒田流の考え方なのでした。
2024シーズンの始動直後に「あんまり足元でチャカチャカやって、何本パスをつないで点数を取るというのが果たしてサッカーか、と言った時にやっぱり日本の『甘さ』というのはそこにある」と語っていたのですが、そのときはあまり話題になりませんでした。ところがシーズンが始まって首位の座に着いたら、その言葉が蒸し返されます。で、黒田監督はこれをYouTubeでも公言しちゃいます。
「たとえば今は
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