著者のコラム一覧
新井平伊順天堂大学医学部名誉教授

1984年、順天堂大学大学院医学研究科修了。東京都精神医学総合研究所精神薬理部門主任研究員、順天堂大学医学部講師、順天堂大学大学院医学研究科精神・行動科学教授を経て、2019年からアルツクリニック東京院長。順天堂大学医学部名誉教授。アルツハイマー病の基礎と研究を中心とした老年精神医学が専門。日本老年精神医学会前理事長。1999年、当時日本で唯一の「若年性アルツハイマー病専門外来」を開設。2019年、世界に先駆けてアミロイドPET検査を含む「健脳ドック」を導入した。著書に「脳寿命を延ばす 認知症にならない18の方法」(文春新書)など。

交流は認知症予防になる…幅広い年齢層が毎晩集まり真面目な話から軟らかい話まで盛り上がる

公開日: 更新日:

 50代の女性はこの6年ほど、北日本のある漁村をしばしば訪れているそうです。

 新幹線の停車駅から電車とバスを乗り継いで約4時間、自宅のある東京からだと7時間かかり、行きやすい場所とは到底言えません。

 車を運転できないので、滞在中は宿で仕事や読書をするか、近隣を散歩するか。宿に温泉があるわけでもない。

 それなのに年に数回、コロナ前は2カ月に1度くらいの割合で足を運んだこともあったのはなぜか? 女性いわく「人」。

 漁村に出かける日程が決まったら、女性はすぐに、最初に旅行した時に出会った知人にLINEを送ります。漁村滞在中は毎夜、知人とその仲間の漁師さんたちの集まりに加えてもらう。

 漁村の夜は真っ暗で、とても静か。飲食店は基本的に昼しか営業していません。

 女性の知人や漁師さんたちは独自に集まる場所をつくり、毎晩のように酒を飲み交わしているそうで、その雰囲気が素晴らしいのだそうです(でも、毎晩の深酒は要注意です)。

 40~70代の幅広い年齢層が爆笑し、仕事や人生の真面目な話から、軟らかい話まで盛り上がる。誰かが誰かに一方的に説教や批判をしたり、過去の栄光話を語り続けるといった、女性が日頃飲み屋でしばしば目にする光景は見たことがない。

 前回女性が行った時、帰り際までテーマになっていたのが、岩手県出身の演歌歌手、福田こうへいさんの「母ちゃんの浜唄」の歌詞についてだったそうで、「『小イワシはいらんかね 七日経ったら鯛になるよ』とあるが、魔法を使ってもイワシは鯛にならない。どういう意味なんだ」ということについて、いろんな意見が飛び出した。漁師さんの朝は早いこともあり、いつもは夜8時には帰途につくのですが、その晩は9時まで宴が続いたそうです。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    相撲協会の逆鱗に触れた白鵬のメディア工作…イジメ黙認と隠蔽、変わらぬ傲慢ぶりの波紋と今後

  2. 2

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  3. 3

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 4

    《2025年に日本を出ます》…團十郎&占い師「突然ですが占ってもいいですか?」で"意味深トーク"の後味の悪さ

  5. 5

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  1. 6

    中居正広の女性トラブルで元女優・若林志穂さん怒り再燃!大物ミュージシャン「N」に向けられる《私は一歩も引きません》宣言

  2. 7

    結局《何をやってもキムタク》が功を奏した? 中居正広の騒動で最後に笑いそうな木村拓哉と工藤静香

  3. 8

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 9

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  5. 10

    高校サッカーV前橋育英からJ入りゼロのなぜ? 英プレミアの三笘薫が優良モデルケース