認知症を狙った訪問販売が増加中…契約を取り消す方法は?
1人で暮らしている認知症の母の様子を見に行ったら、高額なサプリメントをいくつも購入していた──。近年、認知症の方を狙った悪質な「訪問販売」が増えています。実際、昨年5月に認知症と診断を受けている高齢者につけ込み、訪問販売でガスや電気の契約をさせたとして、新電力会社3社に特定商取引法違反で6カ月の業務停止命令が下されたと消費者庁から発表されました。
ひと昔前は布団や着物が主流でしたが、近年は浄水器や健康食品をはじめ、家屋の屋根や浴槽のリフォームなど、大掛かりな工事を必要とする訪問販売も増えています。
私がこれまでに受けた相談に、訪問販売でソーラーパネルの設置を持ちかけられ、費用を振り込んだものの工事が一向に始まらず、おかしいと思ったケアマネが気付いて詐欺が発覚した事例があります。
原則、認知症であれば本人が結んだ契約は無効ですが、その立証は困難です。ただ、「成年後見人」が付いている場合は意思能力の不存在は明らかであり、契約は無効になります。財産を守るためにも、認知症と診断されたら成年後見制度も検討してみるといいでしょう。