「退職歓奨」江上剛著

公開日: 更新日:

 海外でプラント工事を請け負う本条工業の常務・島田は、社長の諌山から、水面下で日本最大の重工業企業・五菱重工業との合併話を進めていると打ち明けられる。グローバル化を生き残るためには合併しかないという諌山は、島田にも相応のポストを用意してくれているらしい。数日後、会長の猪川に呼び出された島田は、猪川と彼の取り巻きから、合併を阻止するために取締役会で諌山の解任動議に賛成するよう迫られる。

 猪川らが言うように諌山が社長職延命のために合併を利用しようとしているとも考えられる。諌山に従うか、猪川につくべきか、島田は決断を迫られる。(「耳したがう」)

 組織に生きる50代半ばの男たちを描いたビジネス小説集。(実業之日本社 630円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動