「微笑む人」貫井徳郎著
神奈川の安治川で川遊びをしていたエリート銀行員・仁藤の妻子が溺れて死亡。数日後、仁藤が事故に見せかけて妻子を殺したことが判明する。本が増えて家が手狭になったので妻子を殺したという仁藤の供述に興味を抱いた小説家の「私」は、取材を始める。隣人や同僚、上司らに話を聞くが、仁藤は非の打ちどころのない人物で、彼が事件を起こすなど考えられないと異口同音の答えが返ってくる。
事件から1カ月後、現場近くの宮ケ瀬湖で白骨体が発見。捜査の結果、白骨の身元は仁藤の元同僚・梶原と分かり、捜査陣は仁藤の犯行を疑う。しかし、仁藤は梶原の事件については犯行を否定する。
衝撃のラストまで一気読み必至のミステリー。(実業之日本社 620円+税)