1989年、小説家を志す鷹西と政治家を志す大江は、それぞれ新聞社と大蔵省へ就職する。5年後、代議士の父が急逝し、大江は後援会から出馬を要請される。しかし、しがらみを持つことを嫌い、自ら事業を起こして得た資金で選挙に出るつもりだ。大蔵省を退局し、政界を引退して伊豆の別荘地で隠居生活を送る堀口に、起業のための融資の依頼に行く。だが、交渉は決裂。大江は、堀口を殺して金庫から持ち逃げした金でIT事業を起こす。一方、2011年に作家デビューした鷹西は支局時代に担当し、時効になった堀口の事件の取材を再び始める。
親友だった2人の男の人生を描きながら進む社会派ミステリー。
(集英社 740円+税)