「データでわかる 団塊の財布・ジュニアの財布」三浦展著
団塊とジュニアのお財布事情に目を向けてみよう。団塊の貯蓄額は1500万円が19%であるのに対し、ジュニアは50万円未満と“特になし”で、4割に上る。年齢が若いというだけでなく、ジュニアは就職氷河期世代でもあり、およそ3割が低所得の非正規雇用者なのだ。
団塊の希望引退年齢は、70~74歳が半数にのぼり、65~69歳も3割だ。著者は、一定の財産を持つ団塊は自己消費に進まず、“子どもに美田を残すべき”と言う。古くなった家を優良住宅メーカーで建て替えておくのもいい。昨年3月から孫の教育資金を1500万円まで非課税で贈与できる制度も始まった。子どもや孫世代への投資型消費が、今後の日本経済の鍵を握りそうだ。