「パツキン一筋50年」秋本鉄次著
著者の辞書では「パツキン」は「欧米女優」のことで、金髪男優に用いるのは誤用だという。そのパツキンのひとり、シャロン・ストーンは「硝子の塔」で「イエス」「ノー」「アイ・ドント・ノー」しか答えないという伝説を生んだ。14年ぶりの続編「氷の微笑2」については「キネマ旬報」の「ボックスオフィスレポート」で「非難よりも憐れまれるような評論……」とまで書かれたが、著者は「“半額”との見えないシールすら貼られた賞味期限ギリギリかすでに期限切れ」という指摘に、「肉は腐る手前が一番旨い」と反論する。パツキン原理主義者の映画評論家がパツキンに寄せる116の熱過ぎるオマージュ。(キネマ旬報社 1800円+税)