<76>彩子が心細げに桃地の手を握る
桃地は彩子と白いテーブルに並んで座り、移植コーディネーターと向かい合う。
彼女は血液検査の結果をテーブルに広げ、難しい顔になった。
「血液検査結果ですが……。HLA型が不適合ですね」
桃地は脳裏に浮かぶ逆さまの海上保安庁旗を思考の外に必死に追いやりながら、…
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