胃がんと脳出血を患った 宮川大助 花子
<1988年10月>
夫婦漫才の大御所といえば、宮川大助(62)・花子(58)。芸歴30年を超える長い活動の中で、夫婦それぞれが重い病に倒れる試練があった。
88年10月末、大助の体調が悪かったのを心配したマネジャーが、病院に健康診断に連れていく。
花子は付き添いのつもりでついていったが、「ついでに検査を受けていきませんか」と医者に言われ、バリウムを飲んで検査を受けたところ、胃にピンポン玉大の腫瘍が見つかった。胃がんだった。
医者は大助に診察結果を告げる。大助は「しまった」と思わず叫んだという。それまで10年近く多忙な漫才師として売れっ子の生活。妻に無理をさせていなかったか。大助は自分を責めた。
大助と医師は「手術で取らなければならないポリープがある」とだけ告げることにした。ちょうど11月は年末年始番組の撮影ラッシュ。まとめて収録をすませたが、告知されていない花子は「ポリープなら正月明けに手術すればいいのに」といぶかった。
花子が入院したのは11月21日。手術は翌週の28日。花子はラジオの収録を休めないという大助に「目が覚めたらあなたにそばにいて欲しい」とファクスを送った。手術は成功。目が覚めるとベッドの傍らで大助が見守っていたという。