日テレドラマ「明日ママ」騒動 苦悩するCMスポンサーの声
各社が話すように、スポンサーは番組内容ではなく、放送時間帯に応じて契約する。提供企業は番組内容に介入できないため、騒ぎになってから対処するしかなく、戸惑っているのが本音のようだ。
しかし、多くの視聴者が「この会社はこのドラマを応援している」という認識のもとで見ていることが多いため、日清食品のように、「ホームページや電話を通じていろんな反応があることを知りました。水曜22時枠は昨年10月から今年3月までの提供。総合的に判断して、番組としては応援できないということで、クレジットを外すことにしました」という企業もある。
■識者は「最終回まで放送するべき」
ここまで企業が対応に追われた理由のひとつは、ネットによる過熱報道だ。上智大教授の碓井広義氏(メディア論)はこう言う。
「『赤ちゃんポスト』だって、素晴らしいものみたいに映っていますが、もともとあのシステムだって賛否両論があった。正直、今回の騒動は過剰だなと思います。ドラマはあくまでフィクション。視聴者はもっと冷静に見ていると思います。過剰反応するのは、視聴者のリテラシー能力を信じていないということ。しかも、過熱しているのはほとんどがネット世論で、中にはドラマを見ないまま流れに乗っかって批判している人もいる。そういうのが一番良くない。だから、日テレには打ち切りと騒がれてもきちんと最終回まで放送していただいて、視聴者もそれから判断してほしい」
ドラマ終了後、CMスポンサーはどういう判断を下すのか。