ピンク・レディー未唯mie 寺山修司作品で男装の麗人に
「1984年に寺山修司さんの1周忌公演『時代はサーカスの象にのって’84』で主演させていただいているんです。今回、2月の『宝島』に続いて30年ぶりに寺山作品に連続出演することになったのは不思議な巡り合わせを感じます」
こう話すのはピンク・レディーの未唯mie。11日から池袋・東京芸術劇場シアターウエストで始まる青蛾館30周年記念公演 「星の王子さま」に主演。とあるホテルを舞台に、奇々怪々な人物たちが交錯する女性だけの男装音楽劇。未唯mieは男装の麗人オーマイパパを演じる。
「初舞台からブロードウェーミュージカルばかりやってきたので、人間くささや人生を逆さに見るような寺山さんの作品には当時カルチャーショックを受けました。実は、8年ほど前から、音楽に関してエンターテインメント志向とはまた別な深い掘り下げ方をしてきたので、今回の舞台もその意味で原点回帰になると思います」
相手役の少女を演じるのは唐十郎の娘・大鶴美仁音。寺山と唐はライバルであると同時に仲のいい「兄弟」のような関係だった。
「十数年前に唐さんの指名で、雑誌の対談をしているんです。美仁音ちゃんは寺山作品に出るのは初めてだというし、これも不思議な縁ですね」
11月には「寺山修司を唄う」と題したライブもある。
「決まった道を歩くのってつまらないじゃないですか。常に新しいことに挑戦することによって、自分の中に別の可能性を発見していきたいですね。この舞台もそのひとつの成果になると思います」