データが示す大谷「二刀流の壁」…ドジャース首脳陣が投手復帰に慎重な理由ハッキリ
4号本塁打を含む3安打2打点と、日本時間8日のナショナルズ戦で気を吐いた大谷翔平(30=ドジャース)。
しかし、前日のフィリーズ戦までの7試合は計25打数5安打(打率.200)、1本塁打。開幕から好調だった打撃はいまひとつだった。
「3月30日、32日ぶりにブルペンで投球練習を行ったことと無関係ではないでしょう。その後、4月3日と6日にもブルペン入り。再び投手としての調整が始まったことが打撃にも影響しているのではないか」とは特派員のひとり。
実際、本人も「DHだけより、ブルペンやライブBPが入った方が負荷は大きくなる。その都度、リカバリーを入れなければならない」と話している。
大谷は3月18、19日の東京開幕に向けてブルペン投球を中断し、打者としての調整に専念していた。その結果、ブルペン投球を開始する前日(3月29日)までの4試合は計16打数6安打(打率.375)、2本塁打と打ちまくった。
投手としての調整を始めたとたん、打撃が下降線をたどったのは、本人も言うように投球練習が加わったがゆえに大きくなった「負荷」と必要になった「リカバリー」のためだろう。
スポーツライターの友成那智氏は、「大谷の二刀流は隔年の傾向がある。投手として良い年は打者としていまひとつで、打者として良い年は投手がいまひとつになる。いまひとつといっても十分、合格点の成績ですが、同じ年に投打そろって突き抜けた数字を残しているわけではない」と言う。
最初のトミー・ジョン手術を乗り越え、実質的な二刀流元年の2021年は9勝2敗、防御率3.18。投手としてはいまひとつだが、打者としては46本塁打で最後までタイトルを争った。
翌22年は15勝9敗、防御率2.33と、投手としてブレーク。サイ・ヤング賞投票でリーグ4位に入ったものの、打者としては打率.273、34本塁打と本塁打が減った。
23年は10勝5敗、防御率3.14。投手としての成績は前年よりダウンしたものの、打者としては44本塁打で初のタイトルを獲得した。
極めつきは2度目のトミー・ジョン手術明けで、打者に専念せざるを得なかった昨24年だ。