「銭形平次」で夫婦役 大川橋蔵が香山美子に贈った自作指輪
美人女優として時代劇や舞台で活躍し、世の男性をとりこにしてきた香山美子さん(70)。今も忘れられない人は時代劇「銭形平次」(66~84年)の平次親分こと大川橋蔵さんだ(故人)。14年もの長きにわたって“夫婦”として連れ添った相手である。
「この指輪、すてきでしょ。橋蔵さんから頂いたものなんです。台座は橋蔵さんの自作で、奥さまの真理子さんとお揃いなの。大切な大切な形見です」
こう言って、香山さんはケースから取り出した指輪を指にはめてくれた。上品で柔らかな光沢を放つ直径1.5センチほどの「タイガーアイ」だ。
「橋蔵さんのご趣味の一つが指輪作り。細かいデザインや細工、手間のかかる研磨までご自分でされていたんです。毎週放映される『銭形平次』の合間を縫って舞台にも上がり、寝る間を惜しんで踊りのお稽古をされていらっしゃったのに、私のために作って下さったんです。今思っても涙が出るくらいうれしいです」
「銭形平次」に妻・お静の役で出演するようになったのは70年秋。第209話から84年4月の最終話、第888話まで務めている。