「銭形平次」で夫婦役 大川橋蔵が香山美子に贈った自作指輪
「それまではひとりの橋蔵ファンとして見ていただけに、オファーを知った時はうれしいのもさることながら、とても驚きました。歌舞伎の女形、若武者として素晴らしい演技をされる方ですから、憧れもありました」
■口癖は「芸は盗むもの」
撮影は京都の東映撮影所。10日に一度、香山さんが東京から京都へ行く生活が始まった。
「これまでいろんな役を演じてきましたが、一番難しいのが夫婦の演技。空気を読むとか、気配を感じるとかになるとよそよそしくなる。しぐさや視線の送り方、間の取り方は夫婦ならではのあうんの呼吸が必要。それを赤の他人が自然に演じるわけで、“息が合う”以上に夫婦になりきらなくてはいけない。それをうまくリードして下さったから、最終話まで添い遂げられたのだと思います」
大川さんがよく冗談でこう言ったという。
「ボクには女房が2人いる。昼の女房はよっちゃん、夜は真理子」
真理子とは大川さんが大恋愛の末に結婚した奥さんだ。