文芸誌デビュー作は絶賛 作家・押切もえは真剣「直木賞」狙い
文芸誌での作家デビューとなれば、パリコレのランウエーを闊歩するよりうれしいのではないか。モデルの押切もえ(34)は太宰治好きの読書家として、芸能界ではちょっと知られた存在だが、現在発売中の「小説新潮」1月号で自身2作品目となる小説「抱擁とハンカチーフ」を発表。曽野綾子(83)、筒井康隆(80)、北村薫(64)、林真理子(60)、角田光代(47)といった人気・実力・経験の三拍子が揃った作家陣と同列に名を連ねたものだから、どれほどの筆致かが気になるところ。
「ファッション誌のエッセーだったら聞き書きもゴーストも許容範囲ですが、文芸誌となれば、話は全く別。自分で書くのは当たり前だし、仮にタレント作家として下駄をはかせるにしても、もともとの筆力が問われる。そのあたりはシビアです。商品にならないものを載せようものなら、出版社の面目にも関わるし、ベテラン作家の方々からお叱りを受けることになりかねませんからね」(ベテラン編集者)
■すでに次作を執筆中
400字詰めの原稿80枚分の物語は、バツイチ子持ちの41歳女性画家が主人公。売れっ子画家の元夫、年頃の娘、年下の男との関係、そして生き方そのものに悩む女心を描く。趣味が油絵とあって、小道具の名称やディテールは丁寧に書き込まれている印象だ。