“反戦自衛官”と呼ばれた小西誠さんは後輩たちの相談に尽力
詳しくは小西さんの近著「自衛隊 この国営ブラック企業」(社会批評社)に譲るとして、一貫して自衛隊にこだわるのはナゼか。
「自衛隊に深い恨みがあるわけじゃないですよ。空自の少年自衛官として入隊し、20歳まで自分の職業に誇りを持って勤務してきたわけですから。ただし、です。将来的には自衛隊という『軍隊』は日本からなくなればいい、とは思ってます。その前に、自衛隊の民主化が先ですが」
目下力を入れているのが、理不尽なイジメやパワハラに直面している現役自衛官に対する支援。「自衛官人権ホットライン」の事務局長として相談に応じている。
「04年のイラク戦争の際に始めたから、もう11年目になります。閉鎖的な組織にはイジメや体罰は付きもので、ボクの在職中にもイジメはありました。ほとんどは一般隊員同士でしたが、最近は中堅・幹部自衛官同士のパワハラが急増してる。原因? 海外派遣による短期間の単身赴任が繰り返され、このところ災害救助活動も多い。つまり、ストレスの増加です。加えて、自衛隊員の不祥事が多発した結果、隊内の引き締めと称し、私生活を厳しく管理し始めた。その鬱憤のはけ口という面もあると思います」