被災地に寄り添う渡辺謙 NYから毎日“直筆FAX”の心意気
東日本大震災から5年――。先週の3月11日当日こそテレビ各局は宮城や福島から生中継で被災地の現状を伝えたが復興は道半ば。にもかかわらず人々の関心は次第に薄れ始めている。そんな中、他とは一線を画した復興支援をひっそりと続けているのが渡辺謙(56)だ。
宮城県気仙沼市の港にある「気仙沼復興商店街」。そこに自身がオーナーを務めるカフェ「K-port」をオープンさせたのは震災から2年半後の2013年11月のことだった。設計は渡辺が親交のある建築家・伊東豊雄氏にオファーし、芝居小屋をイメージしたデザインに。時にイベントスペースとして使用されることもあるそうで、カフェの存在自体は知られていたが、実はカフェには渡辺からほぼ毎日、直筆のメッセージがFAXで送られてきていて、店頭に飾られているのである。
■主演舞台の合間を縫って伝え続ける
東日本大震災から6年目の初日、3月12日の書き出しは「さ、新しい一日です」。中盤には「この週末まで走り切ったらしばし休息です。さすがにちょっとくたびれました」と渡辺自身の気持ちが吐露されている部分も。これは日本時間9日から主演を務めているブロードウェーミュージカル「王様と私」の疲れのことだろうか。