「一升瓶で夢語る姿に憧れ」 大和田獏が語る兄・伸也と酒
夏休みを利用し、東京のアニキのアパートに1週間ほど泊まりにいったこともありました。後で知ったんですけど、ちょうどアニキは「劇団四季」を辞めて間もなく、経済的に一番苦しいときでした。僕が転がり込んでも、お金がないからどうしようと思ってたみたい。で、小さなラーメン屋でご馳走してくれたのが200円か300円のラーメンライス。そっか、お金がないんだなって思い、「アルバイトしてるから明日はオレがおごる」と、アニキが行ってみたいという有楽町のガード横にある「赤瓢箪」という店で、ポークソテーやしょうが焼きをごちそうしました。
■6畳一間の部屋で熱く語る姿に憧れて
その後かな、アニキがアパートの近くの小さなバーに連れていってくれたのは。「ビールでいいな」って言って、小瓶を2本注文してくれたんです。グッと飲もうとしたら「こらこら、よっちゃん(本名が芳朗)、こういうとこではチビチビ飲むんだ」って(笑い)。
でも、楽しい思い出です。アニキの6畳一間の部屋に演劇の仲間が車座になって、安い酒を飲みながら熱く夢を語るのを隅で膝を折って聞きながら、なかなかいいなぁって憧れましたね。