「一升瓶で夢語る姿に憧れ」 大和田獏が語る兄・伸也と酒
女房は話し好きだし、食べ物やお酒の好みが合います。話を半分ぐらい聞き流してよく怒られますけど(笑い)。最近見た映画とか、あそこの食べ物がおいしいから今度行こうとか、去年生まれた孫の話とかしています。本当は硬い話、たとえば報道の自由を守るべきだ、憲法は大切だといった話もしたいけど、女房に喜ばれないから遠慮するようにしています。
■仲間と演劇論をぶつけ合った大学時代
というのも、70年安保の年に名古屋市立大学に入り、大学時代はアニキの影響で芝居三昧。1年のとき大学祭に唐十郎さんの劇団「状況劇場」を呼んで、端役で出させてもらったりして影響を受けました。大学の演劇部は2年のときに方針が合わなくて飛び出し、自分でグループをつくり、唐さんをマネして脚本書いてテント張ってやってました。
だから、その演劇の仲間とか、大学祭の実行委員の人たちと準備しながら、グラウンドの隅や下宿している友人の部屋で鍋をつつきながら、一升瓶やトリスだとかの安いウイスキーを持ち寄り、遅くまでガンガン飲んで演劇論とか硬い話をしていました。翌日は頭がガンガン。気がついたら、大学の中の合宿所の一室で寝てたこともありました(笑い)。