「司会者・夏木ゆたか」見いだした ペギー葉山の“大抜擢”
軽妙洒脱なおしゃべりで知られるタレントの夏木ゆたかさん(67)。ラジオ日本の「夏木ゆたかのホッと歌謡曲」(平日15時)は開始から14年目、約4500回を数える長寿歌謡番組。もともとは歌手として芸能界にデビューしたが、司会に転じたのは1970年。歌手のペギー葉山さん(82)との出会いが大きな転機となった。
■夏木を勇気づけた舞台袖の励まし
「頑張ろうね」
ペギーさんはこうおっしゃると、司会の僕の肩を軽くポンと叩いて励ましてくださいました。今から45年前、71年に渋谷公会堂で行われたペギーさんのリサイタルの開始直前のことです。
去年10月、沢田研二さんの3デイズ公演を最後に、51年の歴史に幕を閉じた渋谷公会堂はその当時、国内外の人気歌手や一流ミュージシャンだけがステージに上がることが許された特別な場所でした。
しかも、ペギーさんはNHK紅白歌合戦に14回出場し、そのうち1回は司会を務めたほど歌手としても司会者としても超一流のトップスター。かたや、僕は69年に20歳で歌手デビューしたものの、あまりパッとしなかったため、やむなく司会業で食っていた新人。レギュラーだったのが銀座三越2階の特設ミニライブ会場でしたから、芸歴も仕事現場もあまりにも格が違いすぎて、水も喉を通らないほど、とんでもなく緊張していたんです。