攻めのクドカンを堪能…ドラマ「監獄のお姫さま」の快感
攻めてるなあ、クドカン。宮藤官九郎脚本「監獄のお姫さま」(TBS系)である。脚本家としてすっかり巨匠となったクドカンだが、その変わらない“やんちゃ”ぶりとマイペースがうれしい。
クドカンドラマの特色は、キャラクターが物語を生むことだ。登場人物たちはこれまでどう生きてきたのか。何をしてきたのか。それがそのままストーリーにつながっていく。
6年前、女子刑務所で知り合った4人の受刑者(小泉今日子、森下愛子、菅野美穂、坂井真紀)と1人の刑務官(満島ひかり)。出所した彼女たちが、ある事件にからんだ復讐を果たそうとする。
初回でターゲットとなるEDOミルク社長・板橋(伊勢谷友介)の息子を誘拐し、さらに板橋本人まで拉致してしまう。
また第2話では6年前の刑務所が描かれた。小泉の罪は夫に対する殺人未遂だが、他のメンバーの罪状や事情も徐々に明かされていくはずだ。そして、「爆笑ヨーグルト姫(夏帆)」をめぐる謎も。
そうそう、このドラマでは2017年12月の「現在」と6年前の「過去」を頻繁に行き来する。時間のジャンプ、いや連続ワープみたいなもので、一見分かりづらいかもしれない。しかし、時間を操ることはドラマという「劇的空間」ならではの醍醐味。クドカンに鼻面を引き回されるのもまた、このドラマの快感だ。