今なぜ音楽なのか? 大竹しのぶがアルバムリリースを語る
昨年の紅白歌合戦に初出場、「愛の讃歌」を歌って話題になった大竹しのぶがオリジナルアルバム「ち・ち・ち」をリリース。最後の曲は「愛の讃歌」だが、シンガー・ソングライター系のアーティスト、森山直太朗、山崎まさよし、ゴールデンボンバーの鬼龍院翔、中村中、kiroro玉城千春らが作詞・作曲したユニークな内容だ。
バラードからロックンロール、ラブソングまでバラエティーに富んでいる。なぜ歌なのか、話を聞いた。
「芝居は私ひとりではなく、長時間かけて、その役を通して伝える作業ですが、音楽はもっとシンプルでお客さんの心に入っていける感じがあります。10年ほど前からトークと歌のコンサートをやっていますが、お客さまが元気になってくださることが何より楽しいです。
コンサートの一環で万博会場で歌わせていただいた時があり、たまたま来ていたご高齢のご夫婦が“ヒット曲があるわけじゃないのにこの人、何をやるんだ?”って見ていたのが、1曲歌いアップテンポな曲になったら2人で本当に幸せそうに手拍子をして見ていたんです。そうか、歌はこんなふうに人に響いて楽しくさせることができる、理屈じゃないんだと。
エディット・ピアフを演じたことも大きかったですね。ピアフという人の歌もすごく強烈。一回ごとのステージでそこにいる人にすべてをあげるみたいな感じが……。この3年は音楽ときちんと向き合っていこうと思って取り組んでいます」