細田守最新作「未来のミライ」 レビューがビミョ~なワケ
この夏注目の劇場アニメといえば、細田守監督作品の「未来のミライ」(東宝配給)だが、評判が芳しくない。たとえば、大手ポータルサイトの映画コーナーの評価は5点満点中2.55(25日朝現在)とビミョ~。観賞後のレビューにいたっては、「カネ返せ」「期待はずれ」「つまらない」などと辛辣なコメントが並ぶありさまなのである。
■「全世代」「家族向け」と思って見ると…
物語はこうだ。フリー建築家の父と出版社勤務の母を持つ男児・くんちゃんは妹のミライちゃんが生まれ、独り占めしていた両親の愛情を奪われていじけている。ところが、ひょんなことから時空を超える旅に出かけるうちに兄としての自覚が芽生えるという4歳児の成長記だ。だが、ファンタジー色の強い作品を期待すると大間違い。共働き家族のリアルな現実も容赦なく描かれ、妻は「仕事も子育てももっとうまくできると思っていた」「気がついたら怒ってばかり」などと落ち込んだり、夫に対して長男の子育ては「私に任せきりだった」と愚痴ったり。育児中の女性世代にとって胸に響くセリフは、男にとっては耳が痛いというわけだ。