ウエンツ瑛士は英へ 海外でも通用するスターは誕生するか
プロ野球やサッカーでは欧米でも通用する日本人選手が増えている。
芸能界でも海外挑戦者は少なくないが、決して芳しくはない。松田聖子や矢沢永吉も日本で人気絶頂期に海を渡っている。聖子はハリウッド映画に出演して話題になったが、せりふは一言。出番は数十秒。「いつ出たの?」と見逃した人もいたほどだった。俳優の吉田栄作もロスに3年間留学したが、米国での実績を残すことなく帰国。今は渋い俳優としてドラマに出演している。
「スポーツは英語よりも技術さえ評価されれば通用するが、ショービジネスの世界では英語がしゃべれる程度のレベルでは通用しない」(音楽関係者)
それを目の当たりにしたのが宇多田ヒカルの挑戦だった。堪能な英語で全米デビューを果たすことはできたが、ビルボード初週の順位が3桁。翌週は圏外と惨敗だった。
諸先輩の現実を見聞きしてか、最近の海外挑戦者はある意味、堅実。元“KAT―TUN”の赤西仁や元“AKB48”の大島優子。最近でも元“関ジャニ∞”の渋谷すばるといるが、「グループ脱退後に一度、リセットする意味もある」と言われ、本場での活動ではなく、語学留学などを主目的にした人が多い。そんななか、昨年4月、芸人のピース・綾部祐二が「どうしてもアメリカで勝負したい」と仕事を降板してニューヨークに渡った。「無理でしょう」と芸人仲間から揶揄する声も飛んでいたが、お笑い関係者は、「相方の又吉直樹が芥川賞作家となりコンビの格差が如実になり、忸怩たる思いで渡米。箔を付けたい一心でしょう」と綾部の気持ちを推察する。