「日日是好日」イベントで明かされた“樹木希林さんの金言”
なんとも艶やかな振り袖姿である。3日に行われた映画「日日是好日」(大森立嗣監督、東京テアトル配給)の特別試写会。13日の公開に先駆け、「KIMONO de CINEMA」と題し、着物姿の参加者250人を前に主演の黒木華(28)と、多部未華子(29)が登壇する一風変わったイベントが明治記念館(東京・港区)で催されたのだ。
茶道教室に通い続けた四半世紀の日々をつづった森下典子氏の自伝エッセーを映画化した本作。先月15日に他界した樹木希林さん(享年75)も茶道教室の先生として出演しているのだが、この日、オフィシャルアドバイザーとして製作に携わった観世あすかさんが明かした秘話が凄まじかった。
今年3月、鹿児島の病院にいた樹木さんは「頭蓋骨から膝までがんが転移している」と余命宣告を受けたことを明かし、電話口で観世さんに本作の役づくりの協力を仰いだという。その後も病床で声が出ない中でも手紙をつづるなど献身的に作品と関わる樹木さんは、こうも話したという。
「『モノづくりっていうのは大変なのよ。撮ったら終わりじゃないの。宣伝を頑張るのよ』と言われていました。1年以上の歳月をかけて演技の準備をし、宣伝の陣頭指揮も執り、全精力を注がれていました」
趣向を凝らしたこのイベントも「希林さんから与えられたミッション」だったという。
そして、黒木と多部について「自分の後を継ぐ真の役者」と評価していたとも。唯一無二の女優が後進に残したものは計り知れない。